法政大学大原社会問題研究所における「OISR.ORG」構築の取り組み

法政大学大原社会問題研究所 若杉隆志


1.はじめに
 法政大学大原社会問題研究所で運用しているWebサイトの通称は「OISR.ORG」である。オイサーオルグと読む。研究所の英文名称”Ohara Institute for Social Research,Hosei University”の頭文字をとったもので、これをそのままドメインの短縮形にも使っている。1)
 サイト開設以来、労働・社会問題分野の研究者の方々をはじめ多くの方におおむね好評をいただいている。ただなにぶん一私立大学の小規模な付置研究所ゆえさまざまな問題もかかえている。少ない予算、少数の研究員・職員、マシンはパソコンであり、運用は所員による自前運用。できるだけお金をかけず、ほとんど素人による手づくりのサイトがどの程度読者のみなさまの参考になるか心もとないところであるが、編集担当の方からの依頼により、できるだけ具体的に報告したい。

2.研究所のあゆみ・活動の紹介
 現在の研究所の前身は大原社会問題研究所である。歴史の本などにまれに出てくるのでご存知の方もあるだろうか。あるいは倉敷にある大原美術館と「兄弟」であるというと話が早いかもしれない。倉敷紡績の社長大原孫三郎により1919(大正8)年に大阪天王寺で創立された。当初から創立者の名を冠している。戦後1949年に法政大学と合併するが、名称はそのまま引き継ぎ今日に至っている。
 大原孫三郎は当時としては稀有な実業家で、社会事業や社会問題に関心を持ち、資金援助をしている。社会問題研究所を創るきっかけとなったのは当時京都帝国大学の教授でマルクス主義者であった河上肇の『貧乏物語』に影響を受けたためといわれている。実際自ら直接河上に会って研究所の所長就任の要請をする。しかし、河上はこれを断り、代わりに当時東京帝国大学教授であった高野岩三郎を推薦した。
 高野岩三郎は、日本で始めての労働者生活調査といわれている月島調査をてがけるなど、実証的な研究方法を旨とするリベラルな研究者であった。研究所創立直後に早くもヨーロッパに研究員を派遣し、図書・資料の収集にあたらせる。また、『日本労働年鑑』を大正9年に創刊し、毎年の労働・社会運動の状況をまとめるために史資料の収集を精力的に展開する。そうした研究所ゆえ若手の有能な、それぞれが後に社会科学各分野の第一線を担う研究者たちが集った。
 研究所では収集した図書・資料を研究員のみが利用するのではなく、図書閲覧室を設置し無料で公開する。1924(大正13)年のことである。大原は社会科学の分野でわが国で最初に設立された研究所であると同時に、開かれたライブラリーとしても最初のものではないだろうか。
 しかし、1936年に大阪から東京に移転し、太平洋戦争下の空襲によって蔵書の大半を失う。今日わずかに残っているのは戦前期の社会運動・労働運動の史料・文書類、創立直後に収集した社会科学の古典籍の一部である。ただ点数は少ないもののこれらはかけがえのない図書資料群となっている。たとえば昭和5年の第1回普通選挙の際のポスターコレクションは当時の司書が街中から足で集めたものが大半である。当時はありふれた街角のポスターに史料的価値を見出し、こつこつと収集した大先輩の慧眼には頭が下がる 2)。  戦後、社会科学の研究はさまざまな機関において繰り広げられていく。そうしたなか、研究所活動の対象は、社会運動・問題の一部をカバーしながらも、労働運動・労働問題を主たるテーマとするようになってきている。
 設置母体、研究対象・分野の変化はあるが、活動の柱が、第一に、調査・研究・出版であり、第二に公開のライブラリーであることに変わりはない。創立直後から刊行されている『日本労働年鑑』、誌名を変えて断続的に刊行されてきた『大原社会問題研究所雑誌』は、今日でも研究所の調査・研究活動を発信する基本メディアである。ライブラリーは、図書・雑誌など公刊された資料だけでなく、さまざまな社会・労働運動の記録・文書、現物などの原資料を所蔵する文書館でもある。
 戦中及び戦後長い間事実上ライブラリーは機能が停止していた。空襲を免れた資料の整理に着手したのは1950年代後半からで、なんとか一段落した1971年に麻布分室で一般公開を再開する。その後は日本社会運動史料シリーズの発行、『社会労働運動大年表』、「労働関係文献月録」など史料の公開や文献情報センター的機能の充実・展開を図っている。1986年に多摩キャンパスに移転したことにより、スペースが確保できた。これによって研究所の活動、とりわけ専門図書館・資料館としての機能をさらに充実させることが可能となった。「労働関係文献月録」は1950年代から編集していたが、1988年からコンピュータに入力し、データベース化する作業を開始した。OISR.ORGはこうしたさまざまな努力の積み重ねがあって生まれた。3)

3.OISR.ORGの目的
 前章で比較的字数をさいて研究所のあゆみを紹介したのは、その資料重視・公開の姿勢がOISR.ORGのスタンスともなっているからである。OISR.ORG、大原デジタルライブラリーの目的は、端的にいえば、研究所の資料及び諸活動の社会への公開、発信にある。
 昨今、私大をめぐる環境がきびしくなっている中で研究機関のあり方もさまざまに問われている。ましてや社会問題・労働問題という地味な分野の研究所は学内的にも社会的にも埋もれがちになる。また地理的にも多摩キャンパスにあるということでの不便は免れない。
 そんな環境下にある研究所が時間と空間を劇的に短縮する可能性を持つインターネットを使わない手はない。オフコンがなくともパソコンがあれば、SEがいなくともhtmlが書ければ、ともかく大きな組織とも横一線で情報発信ができる。学内の図書館やほかの研究所に先駆けてホームページを公開したのは1996年のことである。
 OISR.ORGの目的として2番目にあげておきたいのは労働関係のWebサイトでのコア的存在をめざすということである。もともと大原はわが国の労働分野の研究機関として中心的な役割を果たしている。現在収集し、またこれまで蓄積してきた資料・研究資源をWebコンテンツとして公開するだけでも、この分野に大きな貢献、研究支援ができると考えている。加えてこれにさまざまな労働関係の資源をリンク集やe-textなどによりバランスよく取り込み提供する。すでに労働分野でもさまざまにWebサイトが展開されている。とりわけ労働政策研究・研修機構、労務安全情報センターなどは充実しており、特色を有している4)。それらとの棲み分けも考慮しながら、「労働に関することならとりあえずOISR.ORGをみてみようか」といっていただけるようなサイトをめざしたい。
 
 4.OISR.ORGのあゆみ
 研究所がWebサイトを開設したのは前述したように1996年12月で、その内容は研究所案内、文献データベース、社会労働関係リンク集などである。
 目玉は文献データベース、とりわけ論文データベースが特筆される。『大原社会問題研究所雑誌』の巻末に毎月掲載している「労働関係文献月録」を蓄積しているもので、研究所で収集している社会労働関係の雑誌・機関誌から有用な論文を選択採録し、キーワードを付してデータベース化したものである。一部図書中論文も含んでいる。研究所にしか所蔵されていない雑誌、機関誌も少なくないことから、ネットで検索し、メールやfaxでコピーを申し込んでくるケースは多い。和書、洋書ともあわせ日本語のキーワードを付与しており自然語で検索することを念頭にして構築しているデータベースである。
 1999年2月にトップページのスタイルを一新し、あらたに「大原デジタルライブラリー」を開設した。戦前期ポスター類を画像データベースとして公開したことからである。99年度に「OISR.ORG20世紀ポスター展」。2000年度は「全労働サイト横断検索」「戦前期原資料インデックス」。2001年度、『大原社会問題研究所雑誌』『日本労働年鑑』の全文公開開始、戦後ポスター画像データベース。2002年度、「協調会史料インデックス」「産別会議旧蔵パンフレット」「向坂逸郎文庫原資料インデックス」。そして2003年度、「木原実文書インデックス」「棚橋小虎文書インデックス」など戦前戦後の史料類のリスト公開。というように、コンテンツや研究支援ツールを順次加えている。またこの間英語サイトの充実も図ってきた。
 そして現在、この10月に2度目の大幅リニュアルをした。コンテンツとしては史料の全文を順次公開していく予定である。研究所刊行物についてはこれまで全文情報を公開しているが、所蔵史料の全文情報は手がけていなかった。当面準備中のものは協調会史料の一部である。これはすでに柏書房からマイクロフィルム版で市販されているが、発行後数年経過したため、Webサイトでの公開について出版社との間で合意していることである。
 サイトデザインの議論の中心は、しだいに増えてきたコンテンツをどのように再配置するかであった。第1層に[トップ・総合案内]をおき、第2層は、[研究活動・刊行物][デジタルライブラリー][デジタルアーカイブス][デジタルミュージアム][社会労働関係リンク集][英語版]で構成した。眼目はこれまでデジタルライブラリーでくくっていたコンテンツを文書・原資料類をアーカイブに、展示系をミュージアムに、研究所刊行物関係を研究活動にと分離したことである。

5.OISR.ORGのコンセプト
5.1 ユーザーフレンドリーなデザイン
 使い勝手の良いすっきりしたデザイン−これがキーワードである。具体的には、色調は明るくする、スタイルシートやロゴの活用により統一感をもたせる、フレームは使わない、できるだけ不要な画像は使わない、軽くする、できるだけスクロールを強いないよう1画面に納める、階層はできるだけ浅くしていったりきたりを少なくする、タブを設け各コーナーの移動を容易にする、ブラウザの違いにより同じhtmlファイルでも見え方が違うことにも配慮するなど、特別目新しいこともないが、ユーザーのストレスをできるだけ軽くしたいと考えてデザインしている。

5.2 検索されやすく、しやすく
 検索されやすくするということでは、サーチエンジンにヒットしやすいよう、また、上位になるようにメタデータやタイトルを適切につけるということである。研究所の所蔵資料や研究資源をネットで公開する前と後とで劇的に変わったことのひとつは、労働問題の研究者にとどまらず幅広い方々からの問い合わせや利用が増えたことである。その結果、資料・文献の利用、研究活動への反響がかつてないひろがりを見せている。
 検索しやすくするということでは、実際にアクセスしてきた方の検索の利便性の追求である。たとえば戦前・戦後のポスターや戦前期原資料については、データベースで検索する方法と主題・テーマのリストから検索する方法とを用意している。データベース検索の場合はキーワードを入れれば求める情報が出てくる。ただこの方法だと、どういうデータがあるのか、あるいはどういう検索語が適切かがある程度わかっていないとロスや空振りが生じる。その点、一覧リストから検索する方法は資料の内容が一目瞭然である。どちらの方法から検索しても示されるデータに変わりはない。
 ネットの世界ではユーザーのレベルや目的はまちまちである。それに対して、現在の研究所のマシンパワー・OPACでは最近話題の双方向機能や多様な検索窓は用意できない。使っているのはNetrieveというWeb検索用のソフト、市販であるがあまり知られていないソフトである。データベースはこれも市販のソフト桐で、各担当者が入力したデータをNetrieveに読み込んでネットで検索できるようにしている。ともに軽く使い勝手がいい。Netrieve は画像にも対応している。図書館パッケージではないのでそれなりにしかけは必要だが、なによりブラックボックスでない。応用が利く。多少時間がかかることや、横断検索などの対応ができないなどパソコンの限界はあるが、ユーザーの検索の利便性はできるだけ高めていきたい。

5.3 Webサイトは「カウンター」--ともかく有る資料、ネタを公開する
 Webサイトを研究所の最フロントラインとして、いわばカウンター以上にカウンターでありたいと考えている。
 利用の多くを占める戦前期資料類の検索カードはすでにデータベース化し、ネットで公開している。研究者はむろんのこと、自治体史編纂など他方面からの利用がある戦前期の労働運動・社会運動の史料・記録類である。争議名、事件名、団体名、人名、主題から検索できる目録カードがある。これまでは研究所に来館しなければ検索できなかったが、いつでもどこからでも検索できるようになった。地方から利用の問い合わせがあると、できればネットであらかじめ検索してくることを勧めている。実際、最近では来館される方の半分くらいがご自分でプリントしたものを持参している。メールやfaxを受けて、資料をあらかじめ用意しておくことも普通のことになってきている。事前にネットで調べてくることで来館後の史料調査の時間が有効に活用できる。
 戦後の史料類は、戦前と違い格段に量も多く、また現に今も日常的な寄贈受け入れがあり整理が滞っていたが、ここのところ急速に整理が進みつつある。ファイル単位でリスト化し、それをそのまま「インデックス」としてネットで公開している。個々の文書名まではともかく、どういう史料群があるかを明らかにすることを優先している。
 図書類はすでにデータベース化が済んでいる。ポスターも検索カードをベースにデータベース化、デジタル化を終えた。所蔵カードでデータベース化が済んでいないのは雑誌・機関紙類である。ネットで公開している「一覧」はNACSISに提供したデータをダウンロードしたもので、所蔵している1/4ほどでしかない。現在データベース化すべく入力進行中である。これが公開できると、カウンター前にある検索カードはすべてネットで利用できることになる。
このほか、現在公開にむけて準備中のものは「協調会史料全文情報」「写真データベース」などである。

5.4 小namazu、大namazuでサイト検索
 フリーソフトnamazuを使ってサイト検索をすることもできる。「小namazu」はOISR.ORGのサイト内検索、「大namazu」は社会労働関係リンク集でリンクしているサイトのコンテンツをとりこみアーカイブしようとするものである。
 大namazuの目的は2つある。第一はインデックスを作り、サイト内検索をすることである。たとえば、イラク戦争について各労働組合がどいうった見解を示しているか、といったことを調べる場合に有効である。もちろんgoogleやyahooでも同様のことはできる。それを社会労働問題に特化したOISR.ORGでやることで、より有用な検索ができるのではないかと考えている。いわば百貨店に対する専門店みたいなイメージである。
 2点目は、Webサイト自体の保存である。たとえば半年ごとにサイトを収集保存することで、10年後、50年後の研究に活かされるのではないか。これはすでに国会図書館はじめさまざまに取り組まれ始めているプロジェクトの労働版である。

5.5 各担当者がページをつくる--意思決定、情報共有
 OISR.ORGのコンテンツは基本的には各業務の担当者によって作られ、データサーバーにFTPされる。よって担当者の忙暇、ノウハウの違いによって業務実態と公開する内容に多少の濃淡が生じる可能性がある。また複数のメンバーがサーバーにアクセスすることでセキュリティに甘さが生じる。それでもメンテナンスが日常的に行えること、コンテンツの拡大につながることからこのスタイルをとっている。
 すべてのメンバーが横並びで勝手にということではない。核となるのはWebサイト担当者である専任研究員、主にデザインを担当する兼任研究員、メンテナンスを主に担当する専任職員の3名である。
 OISR.ORGの作業分担、コンテンツの企画、作業の優先順などは担当者の会議で議論し、決められる。以前は専任研究員・職員で構成される事務会議の中で議論していたが、サイトの拡大とともにそこだけではおさまらなくなったこと、事務会議の構成メンバー以外の研究員、スタッフもWebサイトに深く関わっていることから、別に検討組織をたちあげた。開催は不定期でWebマスターにより招集される。
 会議の間をつなぐ手段としてoisr-mlも紹介したい。このメーリングリストには兼任研究員、臨時職員も含めてほとんどすべての構成員が参加している。ここでは、サイト内容、サイト作成のノウハウの共有などOISR.ORGに関わることはむろんのこと、日常の事務連絡などさまざまなメールがやりとりされる。時にはホットな議論が交わされることもあるが、コミュニケーションの手段として、また情報共有の手段として不可欠な存在となっている。

6.今後の課題など
6.1 国際化への対応
 OISR.ORGの英語版は、ポスターを一部英訳して公開するなど日本語サイトに見劣りしないよう内容の充実に努めてきている。少しずつではあるが最近では韓国やアメリカ、オーストラリアなど海外からサイトにアクセスした上での資料利用が増えてきている。英語版の作成は主にWebサイト担当の専任研究員があたっているが、ポスターの英訳などは外部の翻訳業者にも委託している。今後は、単にミニ日本語版にとどまらず、ポスターやその他の所蔵資料の英文解説や『日本労働年鑑』の英文アブストラクトなどによって、日本の社会・労働運動の歴史や現状についての情報をひろく海外に発信していきたい。

6.2 著作権のこと
 著作権問題は資料の電子化についてまわる問題である。ポスターを画像データとして公開する際、戦後期のものについては現存する団体・機関に対してデジタル化と公開について許諾を求めている。拒否とのご返事のあった一部機関のものはテキストデータのみ公開し、画像は非公開と表示している。今年度は写真を公開する予定であるが、ポスター同様戦前分についてはそのまま公開し、戦後分については許諾の依頼を行う予定である。
 一方大原が公開提供している資料については著作権を尊重し、また、所有権に基づく適切な利用を呼びかけている。

6.3 外部資金、外部委託
 予算の少なさを補っているのが外部資金である。科研費「労働問題文献データベース」は数年来継続して受けている。また昨年度からは「画像データベース」についても新たに認められた。また少し古くなるが、1994年から4年間科研費「社会・労働関係に関する異種資料のマルチメディアデータベースの構築に関する研究」、97年から3年間特別助成として教育学術情報データベース「www上で検索可能な社会・労働関係マルチメディアデータベース」を受け、それぞれWebサイトの構築、所蔵史資料のコンテンツ拡大に反映された。またこの時コンテンツ作成を委託した業者には、今でも経常経費の中で継続して委託している。コンテンツにより、所内で行うものと業者に委託するものとを切り分けて実施している。Web関係業務は通常業務を超えて行われる。ゆえに、今後もこうした外部資金や業務委託を有効に活用しながら、計画的にすすめていきたいところである。

6.4 メンテナンス
 LAN環境全体のメンテナンスは学内の情報センターに拠っているが、研究所で管理しているサーバー・クライアントパソコンのメンテナンスは所内の自前運用である。研究所サイト開設以来これまでパソコンを担当している専任職員は、みな文系人間であり、学内の定期異動により現在3人目であるが、幸いなことにみな期待以上に業務をこなしている。インターネット事情に明るく、サイトデザインに精通している兼任研究員も迎えた。またwebサイト担当の専任研究員は基本的には異動はないためスキルを高めている。しかし一方で、サイトは拡大し、ハード・ソフト、マシン環境とも高度化している。ブラックボックスでない今の独自運用による利点を活かしながら、業務の継続性・発展性を支えていける体制(人、マシン)づくりは常に課題である。

6.5 コンテンツの質量、元ネタ(資料)の質量
 OISR.ORGが内外から多少なりとも評価していただけているとすれば、コンテンツの内容のゆえであろう。戦前から営々と収集し、保管してきた資料がOISR.ORGという場を得て今に活きている。その意味では、コンテンツを増やしていくことと同時か、それ以上に、その元となる資料の収集・整理、研究活動の展開が重要だろうと思う。そのことに意をおいて今後とも取り組んでいきたいと考えているところである。

1)http://oisr.org/
2)若杉隆志.無名の社会運動家のメッセージを今に伝える「ポスターコレクション」.図書館雑誌.95巻8号,p.584-585(2001)参照。また、研究所叢書『ポスターの社会史−大原社研コレクション』(ひつじ書房,2001)は、所蔵戦前期ポスターを総覧できる本として刊行した。この本にはデジタル化したデータを付録CDとして添付した。
3)研究所の歴史については、「法政大学大原社会問題研究所編.大原社会問題研究所五十年史.東京,法政大学大原社会問題研究所,1970,216p.」を参照されたい。この本はオンデマンド出版によりレビュージャパン社より購入できる。またホームページでも全文情報を公開している。http://oisr.org/50nenshi/index.html
4)「労働政策研究・研修機構」http://www.jil.go.jp/index.html 「労務安全情報センター」http://www.campus.ne.jp/~labor/
 
『情報の科学と技術』53巻12号(2003.12)

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