私の月誌(2001年10月)

労働資料協総会

 今年の労働資料協総会は法政大学市ヶ谷キャンパスのボアソナードタワーで行いました。活動報告・計画、決算・予算など恒例の総会行事、各機関の現状報告、山部芳秀氏(元国民文化会議事務局長)による「労働者文化とその資料−−国民文化会議の40年を振り返って」と題する記念講演、そして最後はボアソナードタワーの中にある法政大学産業情報センターの見学を行いました。
 労働資料協は1986年に設立された、労働関係の図書・資料に関わる史料保存機関のネットワークです。現在機関21、個人1という小さな規模です。そもそもの設立は、当時労働組合の再編成や、社会運動家の現役引退に伴う労働関係資料の散逸を危惧した社会政策学会の有志が、なんとかしなければと集ったことが発足のきっかけだということです。大原社会問題研究所は、元所長の二村さんが言いだしっぺといったことから創立当初から代表幹事・事務局を担当し、現在は早川所長が代表幹事、私若杉が事務局を担当しています。
 設立の経緯から当初は研究者が中心的な役割を果たしてきましたが、しだいに図書資料の実務に関わる職員も参加するようになってきています。現在の活動は、労働関係の図書資料の相互利用、相互協力、不要図書のリユース、ホームページやメーリングリストを通じての情報交換などです。不要図書のリユースは、加盟機関が、重複などによる不要図書資料をリスト化し加盟機関にまわし、受贈を希望する機関は送料着払いで受け取るというものです。時として大量に寄贈された中にはけっこう重複図書がありますし、そうした図書をただ捨てるのはしのびないものがありますので、この相互リユースは大変有効です。また、相互協力は加盟機関の構成員への利用上の便宜をはかろうというもので今年からはじめました。加盟のメリットとしても宣伝していきたいと考えています。このように規模は小さいながらも、活動は労働関係の図書資料に関わる現場ニーズに即して、研究者、職員がお互いの知恵を出し合い、有効に機能しているといえましょう。
 来年の総会は、久々に首都圏を離れて、えひめ勤労者生活センターさんのお世話で愛媛県松山市で開催されます。総会の前後は道後温泉と労研饅頭かな、今から楽しみです。
 労働資料協のホームページはこちらです。


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