私の月誌(2003年2月)

カビが出た

 今月は少々はずかしい内輪話しをします。実は去年の梅雨のころに地下書庫の製本新聞の一部、数十連ほどにカビが発生したのです。はじめに担当者から知らされた時は驚きでした。地下書庫は一応完全空調だし、カビの話は時々聞くけど、まるでよそ事とたかをくくっていました。
 この手の資料保存に関わることで困った時はなにはともあれ国会図書館の資料保存対策室。ここは全国の図書館の資料保存に関わるよろず相談窓口でもあります。幸い図書館関係の研究会での知人のOさんもそこにいます。「どうしたらいいの?」と聞きました。彼によればカビは条件さえ整えばいつでもどこでも発生すると、さらっと言われました。ふだんから保管環境を最適に保っておくこと、温度25℃、湿度60%が限度とのことです。また、空気を滞留させないよう風通しをよくすることが肝要だとのこと。発生してしまったら、本を適度に乾燥させ、刷毛などで払い取り、必要に応じ柔らかい布をエタノールやエチルアルコールなどで湿らせ、ふき取る、とのことです。
 カビが発生したところは書庫の奥で、換気口を未整理のダンボールがふさいでいました。しかも製本新聞はほとんど利用が少ないために長いこと風があたっていなかったことなどからカビが発生したようです。とりあえずダンボールを動かし、空調が通るようにはしていたものです。
 そして乾燥のこの時期、臨時の予算を得て学生アルバイトを雇いカビの除去作業を行うことができました。


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