私の月誌(2010年2月)

消えた年金記録を探す

 半年ほど前のこと、岡山県からMさんが研究所ライブラリーに資料を探しに見えました。目的は、三池争議のとき総評の支援対策本部に勤務していた記録を見つけることでした。社会保険庁からの年金記録にはその記載が抜けていたため、その復活を求めるためということです。
 当時の総評は今は連合ですが、連合本部には当時の勤務実績を示す資料は無かったとのことでした。
 大原社研で所蔵している総評資料は、結成依頼継続して寄贈していただいている定期大会資料、それと、不定期に総評本部や、関連組織、研究者から寄贈いただいている資料類です。前者の定期大会資料は整理・公開されていますが、後者の資料は段ボール詰めのままのもの、とりあえず棚に出しはしたものの体系的に並べてはいないといった状態でかなり大量にあります。
 定期大会資料の中にはMさんの求めるそのものずばりの資料は見つからなったようですが、関連資料を数点コピーされました。可能性としては大会資料よりは、総評が解散する時に本部から寄贈いただいた資料の中の方がありそうです。ただ、当時寄贈を受ける際、総評さんの方で組織、会計関係の資料は内部資料ということで除かれました。求める資料はまさに組織関係の資料なので果たしてあるかどうか。とりあえず棚に出している資料をざっとご覧になりましたが、目的の資料はやはり見つからなかったようです。
 昨年暮れより書庫増設により確保できたスペースでようやく懸案だった総評資料の整理を始めたところです。資料整理がある程度進めばあるいはMさんの求める資料が出てくるかもしれませが、今回はせっかく遠く岡山からおいでいただいたのに残念なことでした。
 大原でコピーした資料ではやはり勤務実績を証明はできなかったようです。Mさんからいただいた年賀状には、「昨年は敗北しましたが、これからも闘います」とありました。
 そのMさんから、今週、以前コピーした資料を再度コピーしてほしいというお手紙がありました。たくさん書き込みをしたので読みずらくなったとのことです。かつて来所された際の閲覧票を元に、閲覧係総出で、本人とも連絡をとり、その資料を探し、提供しました。
 Mさんの闘いはまだまだ続きそうです。


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