1 最近の図書館の自由に関わる事例から
@クロワッサン回収問題 2000年10月10日号 横浜市ほか
A有害図書指定の拡大
『完全自殺マニュアル』
『タイ買春読本』
『アンアン』1999年11月19日号
B神戸の少年殺害事件
FOCUS 週刊新潮 文芸春秋 新潮45
2 図書館の自由に関する宣言
(1)前史
(2)宣言の成立(1954年)
・1952.2 秩父市立図書館事件
・ 7 埼玉県公共図書館協議会「日本図書館憲章制定促進について」日図協に申し 入れ
・このころ「図書館雑誌」誌上で中立性論叢(←破壊活動防止法成立 1952.7成立)
・1954.5 図書館大会・総会で採択(主文のみ)
(3)宣言改定(1979年)
・1967.6 練馬のテレビ事件
・1973.8 山口県立図書館図書抜き取り放置事件
・1973.10 『目黒区史』回収
・1974.12 日図協「図書館の自由に関する調査委員会」設置
(4)改訂宣言の内容
(5)宣言の普及と維持
日本図書館協会
各図書館
3 事例を通して考える
(1)資料収集への規制
・愛知県立高校の禁書事件(1981.11)
・品川区立図書館に対する区議会議員からの蔵書リスト提出要求(1983.7)
(2)提供の制限と資料の回収要求
・『ピノキオ』の回収要求と閲覧制限
・「わいせつ」出版物の取り扱い 「愛のコリーダ」など
(3)プライバシー保護
・グリコ・森永事件に関連して国会図書館の利用記録の捜査
・『狂水系』をめぐって
(4)図書館員の自己規制
・「ちびくろサンゴ」をめぐって 長野市
・富山県立図書館の図録『86富山の美術』非公開
4 こんな時どうする
@子どものリクエスト本の書名を親なら伝えてもよいか
A八百長リクエスト
B警察から遺失物で届いた図書館の本の貸出者を教えてほしい、と連絡があった
C宗教団体からの本の寄贈
Dオウム信者が引っ越してきた
Eヘアヌード掲載の週刊誌は図書館に置くな、との要求があった
5 まとめ
・図書館活動の広がりと深まりが「図書館の自由」を社会問題化していく契機となってい る
・「図書館の自由」は、「図書館」の自由ではなく、利用者の読み、調べ、探索する権利 を図書館の機能を通して保障するために図書館が保持しなければならない自由であり、 責務である。
・「宣言」は錦の御旗ではなく、自由で民主的な職員集団の形成と不可分である。