河上肇 「同志野坂を迎えて」 1946年

 戦時中中国に亡命していた野坂参三(1892-1993)は、1946年1月12日、16年ぶりに日本に帰国します。その帰国歓迎国民大会は、1月26日、日比谷公園に3万人を集めて開かれました。この集会で朗読された河上肇(1879-1946)の詩がこれです。この詩は2月8日付けの「アカハタ」再刊15号に写真入りで紹介されます。
 書の日付けは1月17日、河上が肺炎により死去する13日前のことです。河上の絶筆とされています。
 この書はその後野坂家によって表装され保存されてきましたがが、2003年6月、養女の米子さんより研究所にご寄贈いただきました。野坂の死後10年余を経てのことです。もし野坂が晩年共産党から除名されることが無ければこの書は共産党の党史資料室に保管されることになったのでしょうか。
 大原社研の創立に関わった河上による歴史の一齣を記録するこの書、末永く保存していきます。(2007年5月記)


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